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【熱膨張性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロスフェアー®F、FNシリーズ)】
マツモトマイクロスフェアー®F、FNシリーズは液状の低沸点炭化水素を熱可塑性高分子殻(シェル)で包み込んだマイクロカプセルです。加熱すると、高分子の殻が軟化し、中の液状炭化水素が気体に変化するため、その圧力でカプセルが膨張します。その様子は丁度ピンポン玉がバレーボールくらい膨らんだようなイメージで、実に体積で50-100倍になるのです。このようなユニークな特性を持つため、マツモトマイクロスフェアー®F、FNシリーズは、熱膨張性マイクロカプセルと呼ばれ様々な産業分野で使われております。
マツモトマイクロスフェアー®F、FNシリーズの構造と膨張メカニズム
マツモトマイクロスフェアー®F、FNシリーズは、平均粒子径5~50μmの熱膨張性マイクロカプセルです。
構造;外観と断面を図-1に示します。マイクロカプセルの膜厚は2~15μmであり、膨張剤である炭化水素が内包されています。耐圧性は30MPa以上であるため、機械強度も十分あり、耐溶剤性も良好です。
保管;40℃以下の冷暗所にて保管することで、マツモトマイクロスフェアー®F、FNシリーズは安定してご使用いただけます。
膨張メカニズム
熱膨張性マイクロカプセルを加熱していくと、まず殻(シェル)を構成する熱可塑性樹脂の軟化が開始します。同時に、内包されている炭化水素がガス化を始め内圧が上がり、マイクロカプセルが膨張する状態になります(膨張開始)。
膨張時は内圧と殻(シェル)高分子の張力・外圧が釣り合って膨張状態が保持されています。(バルーン)
更に加熱を続けると、薄くなった殻(シェル)をガスが透過拡散するため内圧よりも殻(シェル)の張力と外圧が勝るために収縮が起きます(収縮)。
【殻(シェル)は非常に柔らかく、通常破裂は起こりません】
当社では熱膨張性マイクロカプセル:マツモトマイクロスフェアーFの上市以来、その膨張性能に着目し、従来のフィラーより格段に軽く、ユニークな各種物理特性を持った、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させた:プラスチックマイクロバルーンも各種取り揃えております。
マツモトマイクロスフェアー®F-E (Fの膨張体・ウェットタイプ)
マツモトマイクロスフェアー®F-Eはマツモトマイクロスフェアー®F、FNシリーズの既膨張体;プラスチックマイクロバルーン(真比重0.02-0.04)を約含水90%の湿潤体として販売しております。
湿潤体であるために、粉立ちがほとんどなく、ハンドリング性が非常によいという特徴があります。
マツモトマイクロスフェアー®F-DE (Fの膨張体・ドライタイプ)
マツモトマイクロスフェアー®F-DEはマツモトマイクロスフェアー®F、FNシリーズの既膨張体;プラスチックマイクロバルーン(真比重0.02-0.04)を約97%以上の固形分で販売しております。
粉体ではありますがさらさらで非常に軽く、高い流動性を持っています。
マツモトマイクロスフェアー®MFL(Fの膨張体と無機物とのコンポジット)
マツモトマイクロスフェアー®MFLは マツモトマイクロスフェアー®F、FNシリーズの膨張体と無機金属塩や無機金属酸化物との複合体です。球形のピンポン玉の周囲に粉体が一様に付着しているイメージです。無機粉が付着しているために比重はマツモトマイクロスフェアー®F-EあるいはF-DEと比較して重く0.1-0.3となります。同様のドライタイプであるマツモトマイクロスフェアー®F-DEよりも粉立ちが抑えられるためにハンドリング性がよいという特徴があります。